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秘境探検の話を知人にしたら、何人かの人から「ニャロメの塔」へ行ってみたら?
と勧められた。
「ニャロメの塔?」どこやそれ?
伊勢在住歴ほぼ40年で伊勢の隅々まで知りつくしたと豪語するこのぼくでさえも
未知の場所でもあった。
しかも伊勢の中心から歩いて30分ほどの距離にあると言う。
ニャロメの塔という名前もなんだか怪しい。
ニャロメというのは赤塚不二夫のギャグマンガのキャラクターの名前なのだが
ニャロメの銅像でも飾ってあるのかと思ったがそんな訳はない。
調べてみたら日露戦争でなくなった兵士たちの慰霊塔だそうだ。
近鉄電車で伊勢から鳥羽方面に向かうと
宇治山田駅を出てすぐにトンネルを2つくぐる。
その最初のトンネルのある山を虎尾山という。
その虎尾山のてっぺんに立つ塔がニャロメの塔であった。
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ニャロメの塔への行き方
近鉄宇治山田駅よりなるべく近鉄の高架に沿って鳥羽方面(南)に歩きます
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どこかで勢田川に行き当たります。
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小田の橋と言う橋を渡ると、そこからは内宮へとつながる昔の街道
古市街道です。
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小田の橋から1分ほどで左手に三重県真珠株式会社と言う会社が見えます
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その路地を右に折れます。山の斜面にS字になった登り坂を途中まで登った所に
ニャロメの塔の入り口があります。
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みどりの金網で通せんぼしてありますが
よこを簡単にすり抜けられます。
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橋があります。唐突に橋があるので、しかも立派な石造りのアーチ型の橋で
ギョッとします。橋の下に川はなく、一面竹やぶになっています
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かつては人の行き交う公園のような所だったのでしょう。
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今は異界に通じる橋のようです
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すぐの左手に公衆便所の廃墟がありました。
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ここを教えてくれた友達の話によると
この奥には防空壕があるそうです。
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竹やぶを右手に見ながら階段をのぼります。
ぐのひだ
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登り道の右手に広がる竹やぶ
この竹やぶが不思議な神秘的な雰囲気をかもし出していました。
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と思ったら竹やぶの中に忘れられた神社が・・。
かなりこわかったけど、
連れっていった子供がどうしても見に行きたい、
というのでお参りしてきました。
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さらに山道をとんとんとんと登っていくと
5分ものぼらないうちに
ニャロメの塔がそびえているのが見えます。
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いまは笹と落ち葉に覆われて道も見えにくくなっていますが
かつては人で賑わったのでしょうか。
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まるでマヤの遺跡のピラミッドを思い出させる
立派な建造物です。 |
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石段を登っていくと
塔の下に「虎尾山50.9mという看板があります。
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日露戦争の慰霊塔かぁ・・
20世紀初頭の男性的で
重厚長大・富国強兵だった明治時代の遺産なんだろうか
と思ってしげしげ眺めてみると
まさしくそれは天に突き出されたリンガ(男根)のように思われました。
インドではシヴァ神のリンガにココナツミルクをかけてプジャ(お祭り)する風習があります。
とくに秘教的にやるわけでもなく
お祭りの日とかに、
街角の祠で若い女の子からおじいさんまでふつうにおがんでいます。
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ちんちん拝むヘンな国、
とも思うが
それはいのちの象徴でもあります。
いきる力は豊穣なる大地のみのりにつながっていく。
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周囲を木に囲まれて展望はなにもみえませんでした。
しかしそれがなんでニャロメの塔なんやろう?
この謎は持ち帰って帰ってきました。
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後日、その友達に会ってきいてみたところ
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「上の方にニャロメの絵が落書きされてあった。」そうでした。
なーんだ。
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でも何人かの人から「ニャロメの塔」という言葉を聞いたから
慰霊塔というよりもこっちの名前の方が有名らしい。
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ニャロメの落書きは今もかすかに残っているそうです。
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まさにこの山は異界と通ずる山でした。
でも前回訪れた鷲嶺の水穴とはかなりヴァイブレーションが違います。
また別の異界に通じてるのかもしれませんね。
この世界は多次元宇宙(パラレルワールド)で
いろんな世界がまるで泡のような構造で存在する
というのを昔、SFか何かの本で読んだことがあります。
ぼくはそうであって欲しいと思います。
実際このインターネットこそがパラレルワールドのひとつのではないでしょうか。
いろいろな世界があったほうが楽しいじゃん。
そして未知の世界をこわいけれど
好奇心に負けてちょっとのぞいてみたい。
というのが人間の特質ではないでしょうか。
そういう気持ちで人間は月まで行ってしまったのでしょう。
そういえばこの塔もなんだか宇宙ロケットのようにも見えるぞ。
しかしここは誰が建てて、今はどうして忘れ去られたようになっているんだろうか?
友達の話によると、第二次大戦のあとGHQ(占領軍)によって廃止されたらしい。
この場所も時間のくぼみの中で朽ち果ててしまうのでしょうか?
夏草やつわものどもが夢のあと
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