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2001・6・4号

子連れ大旅(コズレオオタビ) バリ・タイ編[part6]

♪人外まきょ−お(魔境)  のーし歩くゲテモノ
邪魔だみちー(道)を開けろ  お前を張り倒す  
とーこーろで俺は  雲を呼び十万里を  
ひっととび  絹の道  どこまでも  
ペルシャの市場までも
「細野晴臣 絹街道」
アルバム『トロピカルダンディ』より 無断引用ごめんなさい。

今回タイ・バリの旅行の間中 ずっと聞いていた
細野晴臣のCDの中で
特にシャンバラ家3人ともがお気に入りがこの曲であった。
細野晴臣がYMOの以前に発表した 南国ムードたっぷりな名盤だ。
まさにシャンバラ仕入れ旅行のテーマソング といってもいいだろう。
さてタイに飛んだ私たちであるが 何十回と来ているチェンマイの街で
特に珍しいものもなく いつも通りの品揃えで、
雑貨だって 洗練されて完成度が高く美しいバリの品物と比べると
どうも器用なんだけれどイマイチの感が否めない。
しかしなんかそのヘタウマさが チェンマイの味、といってもいいんだけれど。
それでもチェンマイは3日しか滞在しなかったので 忙しかった。
朝昼あっちこっちの店屋を歩き周り 夜はナイトマーケットでお買い物。
これで足りるか、 足りないか。
電卓片手に頭なやませ
子供片手におんぶをせがまれ
荷物は背中に両手に肩に ビールはお腹に贅肉増やし
財布はどんどんかるくなり。
ああ休みたい ああ休みたい 象さんの公園で遊びたい 。
一日ゆっくり寝ていたい。
そんなこんなで ビデオの早廻しみたいに日が過ぎた。

雨期の始まりみたいで 時々スコールがやって来た。
丁度夕方ナイトマーケットに行くために お花が咲く裏道を ぶらぶら歩いていた時だった。
チェンマイの裏道は 昭和30年代の日本に戻ったような 湿度の高い、
まったりと懐かしい匂いのする道で しかも熱帯から亜熱帯にかけての さまざまなお花がいつも咲いている。
空き地にはつる草も伸び放題。 道にテーブルとか出して チキンを焼いて メコンウイスキーを飲んでいたり
洗濯していたり そしていちいちみんなが挨拶をくれる。
ここを散歩するのが好きだ。
歩いていると つげ義春の漫画の中にいるような
白昼夢の中にいるような気になってきて、 なんともいい心持ちになってくる。
ずい分雲が厚くなってきたのだが
大丈夫だろうと思っていたら ぽつぽつ来ていた雨が 急にダバダバダバダバダ〜!!、っと降りだした。
慌てて近くの民家の軒下に緊急避難。
長い時間3人でぼんやりと雨を見ながら立っていた。
美しい濃い緑や花に 大粒の雨が激しく打ち付ける。
あまりに雨が激しいので かえってなんだか楽しくなってきた。
しかもまだまだ雨はやまない。傘もない。
お唄うたってしりとりしての雨宿り。
あたりも暗くなってきたころ いつもホテルの前で客待ちしていて
顔なじみになったトゥクトゥク(三輪タクシー)の兄ちゃんが
誰かから僕らが雨宿りをしていたのを聞いたらしく 救助に来てくれて、
僕らはナイトマーケットに無事たどり着いた。
♪スカタン野郎  おー前をはっとばす!  
空手チョップを見舞う  尻尾巻いて逃げろ
 とーこーろで俺は  雲を呼び十万里を
 ひっととび  絹の道  どこまでも  ペルシャの市場までも